ドミナス Dominus [1989]750ml アウトレット商品

Wine Advocate # 89 Oct 1993 Robert Parker 92 Drink - $125-$363

The 1989 is undoubtedly the Cabernet Sauvignon of the vintage. The coloris a dark ruby/purple and the nose offers up sweet， fragrant scents of black fruits， cedar， herbs， and spicy wood. In the mouth， there is extraordinary concentration， medium to full body， and an authoritatively rich， lingering finish. Terroirists will have a difficult time explaining why the wine tastes more like a Pomerol than Napa Cabernet. Interestingly， Moueix stated the key to his success in 1989 was to wait six to seven days after the rains had stopped before harvesting so the vines could shed their excess moisture.The 7，000 cases of this wine that were produced will be released in thefall of 1993.

　ドミナス　1989　およそ10年ぶりくらいに飲む。カリフォルニア・カベルネにしては柔らかく滑らかなワインだったと覚えているが、歳月はどのような変化を与えたか？

　抜栓したコルクに付いた色と香りから、若々しさと力強さを予想した。ボトルから静かにデキャンタージュしたが、フタはせず充分に空気を吸わせることにした。1時間半くらい経ち、2ボトルを8個のボルドーグランクリュクラスのグラスに注ぎ分け飲み始めた。14前後で抜栓・デキャンタージュ（フタ無し）し1時間半位置く。暗く沈んだガーネット色、赤い花、菫、薔薇、ドライオールドローズ、ハイビスカス、沈丁花、カシス、ブラックベリー、プラム、レッドカラント、ラズベリー、クランベリー、干しアンズ、干無花果、山査子、赤身肉、レザー、鞣革、黒胡椒、香菜、丁子、ミント、甘草、杜松の実、パプリカ、ユーカリ、オレガノ、タイム、ナツメグ、メース、ローズマリー、バニラビーンズ、樽香、武夷岩茶、シガー、鉛筆鉄釘、トリュフ、腐葉土、森の下草、濡れ落ち葉、湿った土、黒い土、ミネラル、19年経ったワインにしてはオレンジ色系は認められず暗く沈んだ色合いを持ち、薫り高い花（フレッシュとドライ）と甘く凝縮されたフルーツのノートが物凄い勢いで広がってきた。濃く力強く濃密で凝縮感に溢れているが、濃さから想像するよりタンニンはこなれ、アタックは滑らかで柔らかい。口一杯に広げ、味と香りを吟味する。

　花、果物などのニュアンスが見事に溶けて重なり合っている。ドライ系の花、果実がここ彼処でヒョコヒョコと顔を出すのも楽しい。鞣革の混じる肉・革系のニュアンスは少し獣臭を感じ、どっしりとしたコク・ボディは重厚で濃密。時間が経つと様々なハーブ（黒胡椒、香菜、丁子、ミント、甘草、杜松の実、パプリカ、ユーカリ、オレガノ、タイム、ナツメグ、メース、ローズマリー、バニラビーンズ、樽香）や土・ミネラル系のニュアンス（武夷岩茶、シガー、鉛筆、鉄釘、トリュフ、腐葉土、森の下草、濡れ落ち葉、湿った土、黒い土、ミネラル）が次々に顕れ、絡み合い融け合いながら、実に複雑で濃密で奥行きのある雰囲気を醸し出している。熟成によるのだろうが、カリフォルニアとは思えないくらいに優しく、柔らかく、エレガントでバランスが取れている。綺麗に伸びていくアフターも格別な物だ。10年経ち全く別な物になるという化け物のような変わり方はしていないが、予想通りというか、考えられる限り最適な成長をしているように思われる。不思議なのはカベルネ・ソーヴィニョン中心のセパージュのはずだが、まるで上質のポムロールみたいな纏まりを感じている。ジャン・ピエール・ムエックスが拘わっている所為なのかは分からないが、或る意味見事な姿に熟成している。この値段は現在の価値から考えると非常にお値打ちになっています。お見逃し無く。　　　　2008．3．22